日本のIT系ニュースサイトの憂鬱

日本のIT系ニュースサイトをほぼ見なくなってもう半年になる。
検索エンジンで検索したときに引っかかったのを参照するくらいしかしなくなった。

で、見ないって決めたのは日本のIT系ニュースサイトって要するに

  • アメリカ発の記事の翻訳
  • 日本企業のプレスリリース情報

くらいしかないんじゃないか?とある時ふと疑問に思ったからだ。

それならアメリカ発のものについてはソース記事そのまま読んだほうが早いし、日本企業のプレスリリースなんて自分には必要のないものがほとんどだ(大抵は興味をひかないエンプラ系ばっかり)。だからRSSリーダの類から日本のIT系ニュースサイトのものを全て取っ払い、見えないようにした。

最初は何気に不安だったんだけど、今ではその存在すらほとんど忘れている程度なのでやっぱり必要なかったんだろう。その代わりといってはなんだけど、こっちのメディアが注目しないようなアメリカのスタートアップの動きを今までより注視するようにしている。あとインドも(英語で読める記事があるからね)。

と、まるで日本のIT系ニュースサイトをディスってるみたいに映るかもしれないがそうではなくってしょうがないことなんだ。なぜなら日本のIT業界は動きの速いアメリカに比べれば流れのない沼のようなもの。だからこっちのメディアはたとえ面白くないものであってもプレスリリースに群がるしかない。翻訳記事を書いて紙面(画面?)を埋めるしかない。
それでも日本のIT系ニュースサイトに他国のメディアにはない素晴らしい特徴がある。それは技術系の連載記事だ。あのレベルのまとまった記事を英語で探そうっていったって実はそうそう簡単には見当たらないのだ。

なのでググった時にそういう、ニュース系サイトの連載記事が引っかかった時には嬉々としてクリックしている。

なんで海外メディアには技術系の連載記事が少ないのか。それはメディア側にとっては連載記事ってうまみがないからではないだろうか。ああいいう連載記事って各々が

  • 特定層向け(プログラマ、アーキテクト、インフラ屋、経営層など)
  • 連載後半になるに従ってインプレッションが減っていく(ディアゴスティーニ効果?)

という辛さがまずあって、さらに連載記事の読者層はロイヤリティが高い。んっとここでいうロイヤリティってブランドロイヤリティみたいな意味で、要するにそのページを見る人は広告には目もくれずその「記事の内容」を見に来るので、結果的にそこに貼られている広告は全くもってポチられないってこと。でもこの、読者にポチってもらうというのはメディア側としての重要な収入源。

このへんが日本のIT系ニュースサイトが抱えるジレンマではないだろうか。
収益源は広告だからバンバン読者に広告をクリックしてほしい。でも広告だけだと飽きられるから読者の読みたくなる記事を載せたい。載せて購読者が増えたはいいけど広告をクリックしてくれない。みたいな。

そういったサイトはまだまだ影響力があるのだから VC とタッグを組んでスタートアップに投資し、そこでメディアの強みを活かしてPRを行い、結果としてその中から強力な会社が次々と生まれるようになったりすると面白くなるだろうにな、とふと思う。