GitHubはいかにして始まったのか

またもや 37signals ネタなのだけれども、彼らの blog で連載されている「Bootstrapped, Profitable, & Proud」というシリーズが凄まじく面白いし参考になる。
内容はそのタイトル通り初期投資にお金をかけずに(ベンチャーキャピタルを使わずに)設立し、利益を生むまでになった(収入でいうと100万ドル以上の)会社を一社づつインタビューしてそのサクセスストーリーを披露するというものだ。

で、最新版にはみんな大好き GitHub が登場。
Bootstrapped, Profitable, & Proud: GitHub
その中から「How did the business get started?」という質問に対する回答を訳してみる。チョー訳だけど。

最初 GitHub は週末プロジェクトだったんだ、git のホスティングサイトをやりたいって Tom Preston-Werner が僕に話してくれたのは 地元のプログラミング集会(日本でいうと Ruby Kaigi みたいな)の後に一緒にスポーツバーで飲んでいた時で、彼が考えていたそのホスティングサイトとは簡単にコードを共有できて git 自体を学ぶこともできるような場になりうる、そう、git のハブになりそうなものだった。僕らは git が大好きだったんだけどコードを他の人と共有するのに簡単な方法はその当時には無かったからね、そういうサイトは何よりも必要なものだった。で、Tom は僕が手伝ってくれそうだと思っていたらしい、実際そうしたけど。


それからそのサイトを小さな部分から作り上げていくのに土曜日が来るたびミーティングするってことを始めたんだ。ブランチを食べ、お互いに持ち寄ったアイデアについて語り、実際に作り上げていった。Tom はページのデザインや機能の設計、それを僕が実装。基本的なところが組みあがったらすぐに自分の仕事場でも GitHub を使い始めた。ちなみに僕の仕事場というのは PJ Hyett と一緒に作った会社だったんだけどね。実際に仕事で使うというのは GitHub を改良するのにすごく役立ったよ。PJと僕が日々使うようになってから、GitHub こそ今まで欠けていたもので GitHub こそがその隙間をうまく埋められるものだと感じるようになったんだ。


Tom が前にいた Gravatare というベンチャーで学んだのはリソース依存のサービスをフリーで提供するということは「ウリ」となる部分がそうすることによって食われてしまうということだった。その会社でいうと高ネットワーク負荷の画像ホスティングだったんだけど、GitHub の場合で言うと git のホスティング、つまりコードを保存したり転送したりというウリではない部分に対して高額のサーバ・ネットワーク費用がかかってしまうってことだ。そのコストを何とか埋め合わせる必要がある。


そのことを頭の隅で考えながら無料のパブリックベータを友達にリリースするとすぐに軌道に乗り始めた。パブリック、もしくはプライベートのリポジトリまでも無料で作れたから実際の仕事にも使う人が現れ始めた。僕と PJ もそうだったから別に不思議なことじゃない。でもね、それから間もなくプライベートリポジトリを使うのにお金をどう支払えばいいのかとメールしてくれる人達がいたんだ。


その時点で GitHub はサーバ費用を埋め合わせる以上に儲かるかもしれないことに気づいたよ、ホンモノのビジネスになるかもって。だから制限のないパブリックリポジトリは無料で提供し続けることにして、プライベートリポジトリには課金することに決めた。言い換えると僕らは課金するように言ってくれる人たちに課金しただけなんだけどね。


PJ は GitHubの共同設立者になり、僕とPJは二人で作った会社で働くのをやめ、GitHubが僕らの働く会社になった。2008年4月10日にTomとPJと僕とでサイトを公式に立ち上げて以来、そのビジネスを続けているよ。

エンジニアにとってかなり勇気づけられる記事なのでぜひリンク先で全文を読んでほしい。


ところでこのシリーズで面白いのは動画でオフィスを紹介しているものがあるってところ。
今回も GitHub の社内を歩き回る動画付き!ひろびろー!!