ごあいさつ

僕はソフトウェアの設計やプログラミングを仕事としている。
でも僕は数学ができない。

数学といえば補習や追々々試なんて言葉が反射的に連想されるくらいずっと嫌いで、でもここ最近になってようやく数学が好きになった。もしできないがために可能性を狭められているのであれば学び始めるのは今からでも決して遅くはないと思うし、むしろスタートを遅らせることへの危機感を感じるようになった。なので数学を再び学び始めることにした。

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数学が嫌いになったのは小学校上がりたてくらいの子供の頃にやらされていた「くもん」がきっかけ。今も同じシステムかどうかはわからないのですが、いわゆるドリルを大量にこなしていくスタイルで、やればやるほど難しい問題が出てくるんです。例えば四則演算でいうとどんどん桁数が増えて行くようなもの。これがホントになんというか、やってる身としては全然達成感のない、ひたすら出口の見えないトンネルの中を走っていくようなシステムに感じたんです。解けば解くほど難しくなるっていうのはある意味ゲームと一緒かもしれないけれど、解き進んだ先に面白みがなければ辛いだけです。もちろん自分は10桁以上の四則演算に面白みとか喜びを持てるような子供ではなかったのでそこで数学(というかまだ算数ですね)への興味は失われ、反対にいわゆる数学アレルギーを持つに至りました。そのときは通信教育みたいな形式で「くもん」をやっていたのですが、確かテキストが段ボール詰めで郵送されてきていて、その量が半端じゃなかったのをよく覚えています。その後、「苦悶」という単語を知った時真っ先に頭に浮かんだのはそのテキストの山でした。自分には合わないシステムだったんだと今でも思います。

食べ物の好き嫌いでさえ治すのは容易ではないように、一旦嫌いになった数学を好きになるまでには相当の時間がかかりました。というか学生時代の幾多の追試がむしろ数学嫌いに拍車をかけ、社会に出るころには「一生数学なんてわからなくてもいいや」くらいの勢い。プログラムを組んだりシステムを設計するようになっても、いわゆる業務アプリが相手だと特に数学の突っ込んだ知識は必要ではなく、このまま数学を知らなくても良かったのかもしれません。

そんな文系な自分が数学を再び好きになったのは仕事でExcelのソルバー機能を理解する必要に迫られた時から。
当時、あるお客さんからこんなことをしたいんだけどと言われて見せられたExcelにソルバー機能が使われていました。こんなもの設計できるんだろうかと正直焦りまくりながら試行錯誤を繰り返し、ソルバー機能がどんなものなのかを把握していくうちに、コンピュータに仕事をさせるというのはこういうことなんだなーと感じるようになりました。例えば巨大なデータからトレンドを抽出して_先_を予測すること、みたいな。コンピュータの仕事してるのにそれまでシミュレーションなんてやったことなかったんです。
そこが起点となって自分でももっと高度なロジックを使ってソフトウェアを組んでみたいと思うようになり、そのロジックを学ぶために今、再び数学の門の手前に立っているというわけです。

このblogでは数学やコンピューターサイエンスを学んでいく過程を書き残していきます。